加入者に適用される保険料控除の計算方法【具体例付】

2017年1月30日
生命保険
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保険料控除

生命保険料を払っていると、支払う所得税や住民税の金額が安くなることをご存じでしょうか?

生命保険に加入している人は「生命保険料控除」と呼ばれる制度が適用され、所得税や住民税が控除されます。
この控除額は、払ってきた保険料の金額や加入した時期により異なるため、複雑だと感じる人も多いようです。

そこで今回は生命保険料控除について、どのような制度なのか、控除額の計算方法や控除を受けるための手続き方法などをお伝えします。

ご自身がどれぐらい控除されるのか把握しておきたい方や、節税につながる情報を知りたい方はぜひとも目を通してください。

1.生命保険料控除とは

1-1.生命保険料控除の概要

生命保険料控除とは、生命保険や介護医療保険、個人年金保険に加入していた場合、所得税や住民税の支払いを少なくできる制度のことです。

所得税や住民税は、1年間で稼いだ総所得から所得控除と呼ばれるものを差し引き、それに税率を掛けるという手順で求めます。

そのため所得控除額が大きくなればなるほど、所得税や住民税の負担が少なくなります。
生命保険料控除は所得控除の一種で、控除額については、保険に加入した時期や保険の種類、保険料によって異なります。

1-2.生命保険料控除が適用できない保険

次のような保険では、生命保険料控除を適用できないので注意が必要です。

1:保険期間が5年未満の契約で満期保険金が支払われる、いわゆる貯蓄保険や貯蓄共済は、保険ではなく投資とみなされるため対象外になります。

2:国外で締結した外国生命保険会社の契約、信用保険契約、傷害保険契約、財形貯蓄契約、財形住宅貯蓄契約、財形年金貯蓄契約なども対象外とされます。

3:ほかにも、払い込み期間が10年未満の個人年金保険も対象外となります。

1-3.旧契約と新契約

生命保険料控除を適用する際には、加入時期にも注意を払う必要があり、平成23年12月31日までに締結した保険を旧契約、平成24年1月1日以降に締結した保険を新契約といいます。

旧契約の場合、「遺族保障・医療保障をひとつにまとめた一般生命保険料控除」と「老後保障などの個人年金保険料控除」の2つの区分に分かれていました。

ところが、新契約では「遺族保障等の一般生命保険料控除」と「介護保障・医療保障をまとめた介護医療保険料控除」と「老後保障などの個人年金保険料控除」の3つの区分に分かれるようになりました。
保険契約を締結した時期と保険の種類によって5つの区分のどれに属するのかで控除額が異なり、税額にも影響します。

保険料控除01

2.生命保険料ごとの控除額

上記をお伝えした5つの区分のほかに、もう1つ重要なポイントがあります。
それは、1月1日~12月31日までの期間で、実際に払い込んだ保険料の金額です。払い込んだ金額によって下表にように控除額がかわります。

2-1.旧契約での控除額

【所得税の場合】
払込保険料 控除額
25,000円以下 全額
25,000円超 50,000円以下 (払込保険料×1/2)+12,500円
50,000円超 100,000円以下 (払込保険料×1/4)+25,000円
100,000円超 一律50,000円(※)

※旧契約の一般生命保険料控除と旧契約の個人年金保険料控除を合計して最高で100,000円まで控除できます。

【住民税の場合】
払込保険料 控除額
15,000円以下 全額
15,000円超 40,000円以下 (払込保険料×1/2)+7,500円
40,000円超 70,000円以下 (払込保険料×1/4)+17,500円
70,000円超 一律35,000円(※)

※旧契約の一般生命保険料控除と旧契約の個人年金保険料控除を合計して最高で70,000円まで控除できます。

2-2.新契約での控除額

【所得税の場合】
払込保険料 控除額
20,000円以下 全額
20,000円超 40,000円以下 (払込保険料×1/2)+10,000円
40,000円超 80,000円以下 (払込保険料×1/4)+20,000円
80,000円超 一律40,000円(※)

※新契約の一般生命保険料控除と介護医療保険料控除と新契約の個人年金保険料控除を合計して最高で120,000円まで控除できます。

【住民税の場合】
払込保険料 控除額
12,000円以下 全額
12,000円超 32,000円以下 (払込保険料×1/2)+6,000円
32,000円超 56,000円以下 (払込保険料×1/4)+14,000円
56,000円超 一律28,000円(※)

※新契約の一般生命保険料控除と介護医療保険料控除と新契約の個人年金保険料控除を合計して最高で70,000円まで控除できます。

2-3.新契約と旧契約の両方で控除を適用する場合

新契約と旧契約の両方で控除が使える保険に加入していた場合は、①新契約の計算式で算定する方法、②旧契約で算定する方法、③新・旧契約の双方で算定し、合算する方法の3種類から選ぶことができます。

また、それぞれで控除できる金額は下図のように限度額が定められています。

保険料控除 全体の適用限度額

3.生命保険料控除額の計算方法

では実際に次の条件だった場合、所得税における控除額がどれぐらいになるか、算出してみましょう。

【条件:年間払込保険料】
一般生命保険料 介護医療保険料 個人年金保険料
旧契約
A社:40,000円
B社:50,000円
(合計:90,000円)

A社:22,000円
B社:8,000円
(合計:30,000円)
新契約
A社:10,000円
B社:20,000円
(合計:30,000円)

A社:85,000円

A社:75,000円

「2.生命保険料ごとの控除額」の表を用いて計算すると、次のように①~⑤の控除額を導きだせます。

【控除額】
一般生命保険料 介護医療保険料 個人年金保険料
旧契約
(40,000+50,000)
×1/4+25,000=
47,500円

(22,000+8,000)
×1/2+12,500=
17,500円
新契約
(10,000+20,000)
×1/2+10,000=
25,000円

80,000円以上なので
一律40,000円

75,000×1/4
+20,000=
38,500円

一般生命保険料および個人年金保険料は、新旧両方の保険に加入していることから、それぞれ合算します。
ただし、新旧合算時の上限は40,000円までです。

【控除額】
一般生命保険料 介護医療保険料 個人年金保険料
旧契約
47,500円

17,500円
新契約
25,000円

40,000円

38,500円
新旧合算 A
47,500+25,000=72,500円
40,000円
B
そのまま
40,000円
C
17,500+38,500=56,250円
40,000円

次に「①と②とAの中で一番大きな金額」「Bの金額」「④と⑤とCの中で一番大きな金額」を確認します。

【控除額】
一般生命保険料 介護医療保険料 個人年金保険料
旧契約
47,500円

17,500円
新契約
25,000円

40,000円

38,500円
新旧合算 A
40,000円
B
40,000円
C
40,000円
結果 ①:47,500+B:40,000+C:40,000=127,500円
127,500円 >上限120,000円
⇒生命保険料控除額は120,000円

今回の計算では①とBとCが選出されます。選出された3つの数字を合算します。
ただし、全体の控除額の上限は12万円までです。

今回の例では上限の12万円を超えたため、生命保険料控除額として申告する金額は12万円になります。

4.生命保険料控除を受けるために必要な手続き

生命保険料控除を受けるための手続き方法は、会社で年末調整が可能な方とそうでない方とで異なります。

会社員であれば、年末調整で手続きできるため、保険会社が発行する「生命保険料控除証明書」を「給与所得者の保険料控除等申告書」に添付し、勤務先に提出すればOKです。

自営業の場合や会社員であっても年末調整されない人は、翌年の2月16日から3月15日までに保険会社が発行する「生命保険料控除証明書」を添付し、税務署で確定申告の手続きを行います。

尚、平成23年12月31日以前に締結した保険契約で年間保険料が9,000円以下のものは、その必要がありません。

5.生命保険料控除申告書の確認が必要

生命保険料控除を適用できるのは、契約者本人か配偶者、その他の親族が保険金の受取人である場合に限られます。
それを確認できる書類として年末調整の時期になると、保険会社からは「生命保険料控除証明書」が届きます。

同じ頃、会社からは「給与所得者の保険料控除申告書 兼 給与所得者の配偶者特別控除申告書」が配布されます。

生命保険料控除証明書には、自身の保険契約が新契約なのか旧契約なのか、生命保険なのか介護医療保険なのか個人年金保険なのかが記載されています。
それを確認しながら給与所得者の保険料控除申告書を記入していきます。

先ほどの例の場合、下図のように記入することになります。

保険料控除申告書

6.まとめ

生命保険料控除の内容について、理解していただけたでしょうか。
確定申告で生命保険料控除の手続きをするのはそれなりの手間となりますが、所得税の金額を少しでも安く抑えるためには必要な手続きです。

この機会に制度の内容をきちんと理解して、適切な手続きを行ってください。

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