契約前に知っておくべき!役員保険の適切な会計処理を徹底解説

2016年4月23日
法人保険
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役員 保険

役員の退職金の準備、福利厚生などさまざまな理由で保険をかけることを検討している経営者の方は多いのではないでしょうか?

その際に気を付けてほしいのが、「保険料は一体、どう会計処理すればいいのか?」という点です。
間違った会計処理を行うと、あとで修正申告をする必要があり、トラブルの原因にもなります。

そこで今回は保険の会計処理について詳しく見てみましょう。

1.適切な会計処理をする必要性

1-1.間違った処理をした場合、税務上不利になる

会計処理を間違うと、結果として利益の額が異なってきます。
利益の額が異なれば、算出される税金の額も異なります。
申告を行う前に気づいた場合は計算しなおせばいいだけの話ですが、申告したあとに間違いに気づいた場合は修正申告をする必要があります。

場合によっては高額の追徴課税が生じることもあり、これは税務上、不利となります。
修正申告をした場合であっても、期限を過ぎていたときは申告漏れとして追徴課税が課されます。

具体的には、次の税金が本来払うべき税金に加算されますので、注意してください。

過少申告加算税 ・期限内に行った申告に関する修正申告・更生があった場合に課される。
・追加で支払う金額のうち、50万円までは10%、50万円を超える部分には15%の税率で税金が課される。
無申告加算税 ・期限後申告・決定を行った場合や期限後申告・決定に関する修正申告・構成が行われた場合に課される。
・50万円までは15%、50万円を超える部分に対しては20%の税率が課される。(※1)
不納付加算税 ・法定の納付期限後に納付・納税の告知を行った場合に課される。
・追加で支払う税額に対し、10%の税率が加算される。
重加算税 ・上記3種類の加算税が課される状況かつ隠ぺい等の事実がある場合に課される。
・対象となる加算税が過少申告加算税・不納付加算税の場合には35%、無申告加算税の場合のは40%が当該加算税の代わりに課される。

※1 更生・決定が行われる前に自主的に修正申告・期限後申告を行った場合は5%に税率が軽減される。

1-2.当事者が誰かで扱いが異なる

保険料の会計処理は、契約者、被保険者、受取人が誰になっているかによって大きく異なります。
「この契約は、誰が関わっているのか」という点を明確にすることが、保険料の会計処理において重要な要素となるでしょう。

保険料を資産計上するか、損金算入するかという点で大きな違いがあります。

2.養老保険における保険料の会計処理

2-1.養老保険とは

満期保険金と死亡保険金が同額になる保険です。
つまり、保険契約満了時まで生存していれば満期保険金が、保険契約満了の前に死亡した場合は死亡保険金が受け取れます。

2-2.具体的な保険料の会計処理

契約者 被保険者 受取人 保険料の処理
1 会社 役員 役員または遺族 役員に対する給与
2 会社 役員 会社 資産計上
3 会社 役員 ・(満期の場合)会社
・(死亡の場合)遺族
・1/2を資産計上
・1/2を役員に対する給与

3.定期保険における保険料の会計処理

3-1.定期保険とは

保険料を支払っている期間のみ保険が適用される商品です。
掛け捨て型の商品をイメージすればわかりやすいでしょう。

3-2.具体的な保険料の会計処理

3-2-1.通常の定期保険

契約者 被保険者 受取人 保険料の処理
1 法人 役員 役員の遺族 役員に対する給与
2 法人 役員 法人 損金(支払保険料)

3-2-2.保険期間が長期の定期保険

次の2つの条件を満たす場合、保険期間が長期の定期保険となります。

1)保険期間満了時の被保険者の年齢が70歳超
2)契約年齢+保険期間(年数)×2>105

契約者 被保険者 受取人 保険料の処理
1 法人 役員 役員の遺族 保険期間の最初の6/10の期間 役員に対する給与
保険期間の残りの4/10の期間 ・損金(支払保険料)
・6/10の期間で資産計上した前払保険料を残りの期間の経過に応じて均等に取り崩して役員に対する給与とする
2 法人 役員 法人 保険期間の最初6/10の期間 ・1/2を損金(支払保険料)
・1/2を資産計上
保険期間の残りの4/10の期間 ・損金(支払保険料)
・6/10の期間で資産計上した前払保険料を残りの期間の経過に応じて均等に取り崩して役員に対する給与とする

4.定期付養老保険における保険料の会計処理

4-1.定期付養老保険とは

正式名称を「定期保険特約付養老保険」といいます。
養老保険を主契約とし、万が一のときに大きな死亡保障を確保する「定期保険特約」を上乗せした商品と考えてください。

定期保険の保険期間内に被保険者が死亡した場合には、養老保険・定期保険の部分から死亡保険金が支払われます。
また、満期まで生存した場合には、養老保険部分から満期保険金が支払われます。

4-2.具体的な保険料の会計処理

4-2-1.保険料が明確に区分されている場合

<定期保険の保険料について>

  契約者 被保険者 死亡保険金の受取人 保険料の処理
1 法人 役員または使用人 法人 期間の経過に応じて損金算入
2 法人 役員または使用人 被保険者の遺族 期間の経過に応じて損金算入

<養老保険の保険料について>

契約者 被保険者 死亡保険金の受取人 生存保険金の受取人 保険料の処理
1 法人 役員または使用人 法人 法人 保険契約が終了するまで資産計上
2 法人 役員または使用人 被保険者の遺族 被保険者 給与として処理
3 法人 役員または使用人 被保険者の遺族 法人 ・保険料の1/2は保険契約の終了まで資産計上
・残額は期間の経過に応じて損金算入

4-2-2.保険料が明確に区分されていない場合

支払った保険料の全額を養老保険料の保険料とみなし、区分されている場合の養老保険の保険料に準じた会計処理を行います。

5.まとめ

法人で保険を契約した場合、誰が当事者になっているかで会計処理がまったく違うことがおわかりいただけたかと思います。
もし経理をしていて保険料の処理についてわからない部分があったら、担当税理士等に聞くなどして納得のいく答えを見つけましょう。
くれぐれもあいまいなままで処理を行うのは避けてください。

修正申告が必要になった場合、追徴課税というペナルティも待っているので、慎重に進めましょう。

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