よく考えて決めたい!拠出型企業年金保険の特徴とデメリット

2016年6月23日
法人保険
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拠出型企業年金保険 デメリット

企業や団体が契約をすることができる団体年金保険はたくさんあります。
そのなかで「拠出型企業年金保険」(きょしゅつがたきぎょうねんきんほけん)はどちらかといえばマイナーな保険であるため、その概要についてあまりよく知らないという経営者の方も多いのではないでしょうか?

「拠出型企業年金保険」には、ほかの団体年金保険と比較をしたときに、老後の生活を安心して送るために役立つ一方で、いくつかのデメリットも存在します。

今回は「拠出型企業年金保険」の特徴や、メリットとデメリットの両方について順番にご紹介します。
経営者の方はデメリットもしっかり理解したうえで、拠出型企業年金保険への加入を一度検討してみてください。

1. 拠出型企業年金保険とは?

拠出型企業年金保険とは、企業や団体を契約者、そしてそこで働く従業員や役員を被保険者とした、任意加入型の団体年金保険です。

日本生命保険相互会社が平成28年1月19日に発表した「ニッセイ『福利厚生アンケート調査』報告書」によると、調査対象となった従業員規模1,000人以上の企業や官公庁のうち、拠出型企業年金保険を導入しているのは全体の3割弱となっています。

1-1. 自助努力型の年金保険

拠出型企業年金保険は、被保険者である従業員自身が保険料を負担する「自助努力型」の年金保険です。

被保険者である従業員にとっては、在職中に保険料を積み立てておくことで老後の生活を楽にできるという大きな利点があります。

掛金の上限額は、国民年金の第1号被保険者(自営業者など)の場合は月額68,000円、国民年金の第2号被保険者(会社員など)で企業型確定拠出年金や企業年金の未加入者は月額23,000円となります。

2. 拠出型企業年金保険のデメリット

拠出型企業年金保険には、ほかの団体年金保険と比較した場合に、以下のようなデメリットがあります。

2-1. 事務手数料がかかる

保険会社や所属している企業・団体によって金額は異なりますが、加入時に掛金の2~3%が事務手数料としてかかります。

そのため運用開始から一定期間が経って積立金が掛金を上回るまでは、途中で解約(脱退)すると元本割れを起こしてしまいます。

2-2. 積立金の払出しができない

拠出型企業年金保険では、積立期間中に積立金の払出しをすることはできません。
掛金を戻してもらうためには、保険自体を解約して一時金を受け取るしかありません。

2-3. 早期退職や早期解約をすると損をする

たとえば「公益社団法人 大阪市工業会連合会」の場合は、掛金から制度運営費や事務手数料を差し引いているため、積立金額(脱退一時金額)が掛金累計額を上回るのは加入13年目からとなります。

このことからも分かるように、拠出型企業年金保険は若い人ほど有利な年金保険となっているのです。

3. 拠出型企業年金保険にはどんなメリットがある?

デメリットがある一方で、拠出型企業年金保険には以下のようなメリットがあります。

3-1. 給料天引きなので着実に積み立てられる

拠出型企業年金保険の掛金は給料から一定額が自動的に天引きされるため、無理なく着実に積み立てをすることができます。

3-2. 利回りが高い

拠出型企業年金保険の予定利率は1.25%~1.7%くらいとなっています。
これはほかの団体年金保険と比べても、かなり高いといえるのではないでしょうか。

3-3. 個人年金保険料控除が受けられる

拠出型企業年金保険の加入者が負担した保険料は「個人年金保険料控除」の対象となるため、保険料を使って所得税や住民税の税額を軽減させることができます。
※加入期間が短い場合は「一般生命保険料控除」の対象になる場合もあります。

4. 拠出型企業年金保険と確定拠出年金の違い

拠出型企業年金保険は、名称が似ていることから「確定拠出年金」(かくていきょしゅつねんきん)と混同されることがあります。
拠出型企業年金保険は、確定拠出年金と以下のような相違点があります。

4-1. 拠出型企業年金保険は任意加入

確定拠出年金が強制加入であるのに対し、拠出型企業年金保険は加入や脱退を従業員が自由に選択することができます。

4-2. 拠出型企業年金保険は加入者(従業員)拠出が中心

確定拠出年金が「企業拠出主体」であるのに対し、拠出型企業年金保険は「加入者拠出主体」の年金保険制度となっています。

5.拠出型企業年金保険の手続き方法

拠出型企業年金保険に加入するためには、保険会社ではなく自身が所属している企業・団体に直接申し込みをしましょう。

ただし、企業・団体によってはあらかじめ募集期間が決められているところもあるので、注意が必要です。

6.まとめ

今回は一部の企業や団体が導入をしている「拠出型企業年金保険」に関する情報をお伝えしました。

拠出型企業年金保険には、ほかの団体年金保険と比べた場合にメリットとデメリットがいくつかあります。
現在、拠出型企業年金保険の導入を検討しているという経営者の方は、今回紹介したメリット・デメリットを頭に入れたうえで、契約するかどうかをぜひ一度検討してみてください。

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