似て非なる拠出型企業年金保険と企業型確定拠出年金の違い

2016年7月21日
法人保険
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拠出型企業年金保険

「拠出型企業年金保険」をインターネットで検索すると、「企業型確定拠出年金」も同時に検索結果に出てくることがあります。

拠出型企業年金保険と企業型確定拠出型年金は、老後の資金準備にとても有効な企業年金保険です。
この2つは名前だけでなく内容も似ているため、よく混同されがちなのですが、それぞれの違いについて知らない方も多いのではないでしょうか?

「拠出型企業年金保険」の仕組みや企業年金における位置付け、そして「企業型確定拠出年金」との違いについて把握しておきましょう。

1.拠出型企業年金保険とは

拠出型企業年金保険とは企業や団体を契約者とする、加入者の自助努力によって資産形成や老後の生活資金の準備をするための団体年金保険の一種です。

1-1.団体年金保険とは

団体年金保険とは企業や団体が生命保険会社と契約し、その被用者を被保険者団体とする年金保険契約です。

団体年金保険には、拠出型企業年金保険以外にも「厚生年金基金」「確定給付企業年金」「確定拠出年金」「適格退職年金保険」「中小企業退職金共済」(中退共)「特定退職金共済」(特退共)などがあります。

2.拠出型企業年金保険と企業型確定拠出年金の違い

拠出型企業年金保険と企業型確定拠出年金には似ているところが多く、紛らわしいので注意が必要です。
それぞれの違いについて、しっかりと理解しておきましょう。

2-1.保険料の負担者が違う

拠出型企業年金保険は加入者である従業員自身が掛金を支払うのに対し、企業型確定拠出年金では企業が掛金を支払います。

ただし、企業型確定拠出年金でも、より貯蓄性を高めたい場合は「マッチング拠出」を利用することで、被保険者が掛金を上乗せして積み立てることができます。

2-2.企業型確定拠出年金は途中解約ができない

拠出型企業年金保険では自由に加入や解約ができるのに対し、企業型確定拠出年金は一度加入をすると、原則として60歳になるまで解約できません。

ただし、企業型確定拠出年金でも「資産額15,000円以下」や「退職後に別の確定拠出年金に入れない」などの条件に当てはまれば、満期を迎える前に退職した場合でも一時金を受け取ることができます。

2-3.税制面で有利なのは企業型確定拠出年金

企業型確定拠出年金の保険料は非課税であるため、税制面では有利となっています。

対して、拠出型企業年金保険の保険料は「一般生命保険料控除」の対象となり、最大で所得税が40,000円、住民税が28,000円控除されます。

さらに加入年数10年以上などの条件を満たせば「個人年金保険料控除」の対象にもなり、合わせて最大で所得税が80,000円、住民税が56,000円控除されます。

3.拠出型企業年金保険の内容

3-1.拠出型企業年金保険のしくみと特長

拠出型企業年金保険は、掛金を給与から毎月一定額ずつ天引きしながら積み立てていき、満期を迎えると積み立てた分のお金を年金払いで受け取れるという企業年金制度です。

もし、払込期間中に加入者が死亡してしまった場合には「遺族年金」(もしくは一時金)という形で、死亡時の積立金が遺族に支払われることになります。

また、払込期間中に脱退した場合でも「脱退一時金」が受け取れるため、被保険者やその家族にとって嬉しい企業年金となっているのです。

3-2.国の年金制度を補完する、企業年金の代替制度である

拠出型企業年金保険は、厚生年金などの国の年金制度だけでは将来が不安という方にオススメの、老後の年金受取額を数万円増やすことができる企業年金の代替制度となっています。

税制面でも所得税・住民税を合わせて最大で136,000円が控除されるため、労働者の強い味方となってくれることでしょう。

3-3.拠出型企業年金保険の保険商品の例

拠出型企業年金保険は多くの企業や団体が保険商品として採用しています。
例としては、以下のようなものがあります。

東京商工会議所「マイライフ年金共済制度」
https://www.tokyo-cci.or.jp/kyosai/file/kyosai012.pdf

東京保険医協会「保険医年金」
http://www.hokeni.org/mutualaid/

国土交通省共済組合「団体積立年金保険『ゆとり』」
http://kokkoukyosai.or.jp/fukushi/chokin.html

文部科学省共済組合「団体積立終身保険事業」
http://www.monkakyosai.or.jp/benefit/05.html

4. 拠出型企業年金保険を活用するポイントと注意点

4-1. 活用方法

拠出型企業年金保険は厚生年金(国民年金)だけでは将来が心配な方や、現金で貯蓄するのが苦手な方に役立つ年金保険となっています。

加入期間は自分で決めることができるので、加入時に自分が定年退職をするタイミングで年金が受け取れるように期間を決めておきましょう。

4-2. 注意点

拠出型企業年金保険は途中で解約しても積立金が受け取れますが、加入してから解約するまでの期間が短いと、積立金額が掛金累計額を上回っていないために損をしてしまいます。

加入する場合は途中解約を前提とするのではなく、なるべく満期を迎えるまで積み立てをし続けられるようにしましょう。

5.まとめ

企業年金にはたくさんの種類がありますが、拠出型企業年金保険はそのなかでも自由度の高さが売りであるといえるかもしれません。

企業の福利厚生をより充実させたいという経営者の方は、ぜひ拠出型企業年金保険の契約を検討してみてください。

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