中小企業オーナー必見!中退共の掛金におけるルールとは

2016年4月26日
法人保険
Pocket

中退共 掛金

中小企業において悩みのタネでもある従業員の退職金問題。
「いつも頑張ってくれている従業員へどうにかして退職金を用意してあげられないか」と悩む経営者も多いのではないでしょうか?

今回は「中小企業退職金共済制度(以下、中退共)」の掛金におけるルールを中心に解説いたします。

1.そもそも中退共って何?

1-1.中退共の概要

中退共とは、「中小企業にお勤めの従業員の皆さんへ退職金を準備してあげましょう」という趣旨のもと、独立行政法人勤労者退職金共済機構が運営している制度です。
事業主が中退共契約を結び、事業主が従業員のために毎月お金を積み立て、従業員が退職した際には、中退共からその従業員へ直接退職金が支払われます。

1-2.中退共のメリット

通常、事業主が従業員のためにと思って会社の中で退職金原資を貯める場合、それは会社の税引後利益で積み立てをする必要がありますが、中退共を利用することで損金(個人事業主の場合は必要経費)として扱われ、全額非課税となるのが最大の強みと言えるでしょう。
また、一定の条件を満たした場合には、国からの助成や自治体からの補助を受けることも可能です。

▼詳しくはこちらをご覧ください。
【中退共(中小企業退職金共済制度)のメリット・デメリット】

2.月額掛金の種類は16種類+3種類

2-1.通常の月額掛金

事業主は下記の中から従業員一人ひとりに対し、任意で選択することが可能です。

5,000円~10,000円までの1,000円単位:6種類
12,000円~30,000円までの2,000円単位:10種類

2-2.月額掛金の特例

パートタイマー等などの短時間労働者(※)の場合には、特例として下記の掛金にすることも可能です。

2,000円~4,000円までの1,000円単位:3種類

※ 短時間労働者とは、同じ事業所で働いている他の従業員より勤務時間が短く、かつ1週間あたりの労働時間が30時間未満の従業員を指します。
特例の掛金を選択する場合には、労働条件通知書(雇入通知書)または労働契約書の写しなど、短時間労働者であることの証明書が必要になります。

3.月額掛金をいくらに設定したらいいか分からない場合

掛金の増額は簡単にできますが、減額をするにはその従業員の同意または厚生労働大臣の認定書が必要になりますので、掛金の設定は慎重に行う必要があります。
掛金を設定する方法は大きく3つあります。

3-1.定年退職する年齢と退職金額を決め、逆算する方法

たとえば、現在30歳の従業員が65歳で定年退職する予定で、退職金を1,000万円用意してあげたい場合は、月額20,000円を35年(420ヶ月)掛ければ1,000万円に達します。
(平成14年11月に改定された予定運用利回り年1.0%をもとに計算した場合)

3-2.賃金を基準にする方法

・賃金が21万円~25万円の従業員は月額12,000円
・賃金が26万円~30万円の従業員は月額14,000円

など独自でルール化する方法です。

3-3.勤続年数を基準にする方法

・勤続年数が5年~9年の従業員は月額12,000円
・勤続年数が10年~14年の従業員は月額14,000円

など独自でルール化する方法です。

4.掛金の納付方法は?

4-1.月払いの場合

毎月納付する場合には、当月または翌月の18日(金融機関が休業の場合は翌営業日)に予め事業主が設定した銀行口座から口座振替にて納付します。
翌月振替の場合、退職者への支払いは翌々月以降となるので注意が必要です。

4-2.前納の場合

その他の納付方法として、12ヶ月を限度に前納する方法があります。
前納した場合、その期間分の月額を変更することはできません。

5.もし納付できなかったら?

5-1.未納が許される正当な理由とは

正当な理由もなく掛金を12ヶ月以上継続して未納した場合、退職金共済契約を解除されてしまいます。
正当な理由に該当するのは次の2つです。

①契約の対象となっている従業員(被共済者)がその月の所定労働日の半分以上を欠勤または休職したとき。
②銀行のシステムのトラブルで納付できなかった場合など、事業主の責任ではない事情で掛金を納付することができなかったとき。(経営不振や資金難は該当しません)

5-2.納付できなかった場合の対処

もし上記のような都合で納付できなかった場合には、3ヶ月以内に「掛金未納正当理由申立書」を郵送またはFAXする必要があります。
また、この申立期間は12ヶ月が限度となっているため、12ヶ月を超える場合には再度同じ手続きをとる必要があります。

振替日に残高不足などの理由で振替ができなかった場合には、翌月以降の掛金に加算して請求されます。
万一、3ヶ月間残高不足が続いてしまった場合には、口座振替による掛金の請求が停止され、中退共からその旨が連絡されます。

6.まとめ

中退共の掛金におけるポイントは、事業主が掛金を支払い、そのお金を中退共が管理し、従業員に直接お金が渡ってしまうことにあります。
損金扱いできるなどのメリットもありますが、何らかの問題を起こし解雇せざるを得ないような従業員であっても、事業主はそのお金を取り戻すことはできません。
このようなリスクも見据えた上で、賢く利用しましょう。

Pocket

法人保険で節税したいなら【保険の知りたい!】で無料相談!

法人保険で節税をしようと思っても、本当に効果がある保険を選ぶのは難しいですよね。
自社の売上げや社員数などを考えながら、数多い保険商品の中からベストなものを選択することは、確かに簡単ではありません。

そこで「保険の知りたい!」がオススメする専門家による無料相談をぜひご活用ください。
法人保険専門のFP&税理士がしっかりとお話を伺い、最適なプランをご提案いたします。

詳しくはこちら

POPULAR POSTS- 人気記事 -

LATEST POSTS- 新着記事 -

RELATED SITES- 関連サイト -